粘り強さ

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取引を成立へと導くには、多くの場合、粘り強さが求められる。特に、遅延や障害、意見の相違によって交渉期間が数日、数週間、数カ月、あるいは数年にも及ぶ場合はなおさらである。

遅延には2つの種類がある。完全に正当化できる妥当な理由がある「理解可能な遅延」と、何ら正当性がなく、単なる時間の浪費にしかならない「弁解の余地のない遅延」である。

障害もまた、2つに大別できる。十分な時間と創造的な問題解決によって乗り越えられる「克服可能な障害」と、解決不可能な難題が存在するために克服が不可能な「克服不能な障害」である。

意見の相違についても同様に、十分な忍耐と説得によって合意に達し得る「調停可能な不一致」と、いかなる状況下でも双方が合意に至る道筋が考えられない「調停不能な不一致」に分けることができる。

粘り強さの本質は、あらゆる遅延は理解可能であり「弁解の余地のない遅延」など存在しない、あらゆる障害は乗り越えられるものであり「克服不能な障害」など存在しない、そしてあらゆる意見の相違は最終的に解決可能であり「調停不能な不一致」など存在しない、という信念を持ち続けることにある。

実践において、粘り強さとは決して苛立ちに屈せず、常に生産的な前進の道を探り、忍耐強く着実に合意形成へ向けて取り組むことを意味する。

相手が会議をキャンセルしたなら、単に新しい日程を設定すればよい。メールの返信がなければ、フォローアップメールを送ればよい。関心がないと言われたなら、提案をより魅力的なものに磨けばよい。不可能だと言われたなら、可能にする方法を提案すればよい。今は取引できないと言われたなら、時間を置いて改めて確認すればよい。

粘り強くあるとは、決して諦めず、合意に至るまで前進し続けることを意味する。我々の意識に制限時間はなく、取引を成立させるために必要な限り交渉を継続するのである。

あなたが商業用不動産業に携わっており、EV充電スタンドへ転換するためにガソリンスタンドの買収を検討しているとしよう。リサーチの結果、絶好の立地にあるガソリンスタンドを見つけ、買収の申し入れを行うためにオーナーに接触することを決めたとする。電話をかけてオーナーを呼び出し、電話口に出たオーナーに「初めまして。お持ちのガソリンスタンドの買収を提案させていただきたいのですが」と伝えると、オーナーは「興味ないね」と言って電話を切ってしまう。

さて、売却に一切興味がないと明確に告げられ、電話を切られた。ここで問われるのは、諦めるべきか、それとも粘り強く続けるべきか、ということだ。

ここで粘ることを決め、車でスタンドに向かい、店に入ってオーナーへの面会を求めたとする。大柄で威圧的な男があなたを睨みつけ、自分がオーナーだと名乗り、何の用だと尋ねてくる。あなたはこう言う。「こんにちは。先ほどお電話した者です。ガソリンスタンドの売却をご検討いただけないかと思いまして」。男は凄む。「電話で断ったはずだ」。それに対し、あなたは答える。「ええ、ですが理由をお伺いする機会がありませんでしたので」。「売り物じゃないからだ」と男が返すと、あなたはこう返す。「問題ありません。それでも購入を希望しております。ご希望の価格はございますか?」。オーナーは「売り物じゃないと言っている。その用件だけなら時間の無駄だ」と言う。そこであなたはこう言う。「せっかく立ち寄ったので、コーヒーを一杯いただいていきます」。コーヒーを受け取り、代金を支払い、オーナーに「良い一日を」と挨拶してその場を後にする。

翌日、再び訪れると、オーナーは「興味はないと言ったはずだ」と言う。あなたは「コーヒーを買いに来ただけですよ」と答える。オーナーは「嘘を言え。うちのコーヒーは不味いぞ」と返す。あなたは「全くそんなことはありませんよ」と答え、代金を払い、良い一日をと挨拶して立ち去る。

それからの数カ月間、あなたは毎朝立ち寄り、コーヒーを1杯買い、オーナーに良い一日をと声をかけて店を出る日々を続ける。

ある日、オーナーがあなたを引き止め、「おい、まだここを買う気はあるのか?」と尋ねてくる。あなたは答える。「状況によりますね。売りに出されるのですか?」。オーナーは「お前がいくら出す気があるか次第だ」と言う。あなたは答える。「近隣の相場を踏まえれば、喜んで75万ドルで買い取らせていただきます」。オーナーが「それでは全然足りないな」と言うと、あなたは尋ねる。「いくらなら十分でしょうか?」。「200万ドルだ」とオーナーが答えると、あなたは言う。「うーん、残念ながら私の予算を超えていますね。非常に惜しいです、この場所をとても気に入っているのですが」。そしてコーヒー代を支払い、良い一日をと挨拶して店を後にする。

さらに数カ月間、毎朝コーヒーを買い続ける日々が過ぎたある日、オーナーが口を開く。「150万ドルまで下げるならどうだ?」。あなたは言う。「同等の物件の相場は依然として75万ドルですが、85万ドルまでなら引き上げることができます」。オーナーは首を横に振る。あなたはコーヒーを受け取り、代金を払い、良い一日をと挨拶して立ち去る。

数カ月後、オーナーは「わかった、100万ドルならどうだ」と言う。あなたは答える。「90万ドルまでなら出せます。適正市場価格を15万ドル上回る金額です。今すぐ小切手を切ることもできますよ」。あなたが小切手帳とペンを取り出し、しばし睨み合った後、オーナーは合意した。実に不味いコーヒーを買い続けて約1年、その不動産はあなたのものとなったのである。

交渉における粘り強さとは、諦めず、苛立たず、合意形成に向けて働きかけ続けることである。遅延、障害、意見の相違は、交渉プロセスにおいて不可避であり必要な要素ですらある。だが、忍耐を持ち、十分な時間をかけることができれば、最終的に望む条件での合意を勝ち取ることができるのだ。